saraさんの書かれた記事(その1 その2)において、
線路のガードレールについてのお話が出たので
向こうのコメントで説明をさせていただいていたのですが
どうせなら具体例を挙げて説明をやり直したほうがよいかなと思ったので
ネタ帳を探って素材を発掘してきました
脱線防止ガード(フローティングラダー部)

上の写真は鉄道総研実験線のレールです
直線への投入が多い(様に感じる)ラダーマクラギなので、
脱防ガードが付設されているのは珍しいのではないでしょうか
脱線防止ガード(軌間外方)

津軽海峡線 吉岡海底 - 知内間
脱線防止レール

上田電鉄別所線 中塩田 - 塩田町間
脱線防止レール(PCマクラギ区間)

阪神本線 青木駅構内
脱線防止レールおよび脱線防止ガードは列車の脱線を防止するために設置されます
推定脱線係数比が一定値未満の箇所(当社では1.2)
半径250m未満の曲線や、 急勾配中の曲線または高築堤等で
脱線した際に非常に危険が予想される箇所に敷設されます
脱線防止レールは主に木マクラギ区間において、犬クギで締結されます
本線レールとの距離は65(+スラック)mmが標準です
また上記阪神青木構内のように、専用のPC枕木が用いられることもあります
脱線防止ガードはレールを犬クギ締結することができない
PCマクラギ区間において、アングル材を用いて設置されます
本線レールとの距離は85mmが標準で
脱線防止ガードは本線レールと専用金具で締結されます
脱防レールおよびガードの設置位置について
推定脱線係数比および急曲線による設置箇所については、
曲線外軌側方向への脱線を防止するため、曲線内軌側内方へ設置されます
その他の条件による設置箇所については、
脱線した際に被害が大きくなる方向の反対側レール内方に設置されます
(例:新幹線の橋脚がある、高築堤のため転覆の恐れがある など)

安全レール(軌間内方)

長野電鉄長野線
安全レール(軌間外方)

富山地方鉄道上滝不二越線 南富山駅構内
安全レールは脱線してしまってもそれ以上の被害を最小限にするためのレールで
都合上脱線防止ガードが設置できない場所に敷設されます
一部では逸脱防止レールと呼ばれているようですが、
国鉄の資料では安全レールとなっています
本線レールとの距離は180mmまたは220mmで、主に古レールが用いられています
脱線防止レールとは、本線レールまでの距離が違うことがお分かりいただけますでしょうか?
レールの設置位置については、脱線防止レールおよびガードに準じますが
落石や雪の多い地域では、隙間に落石や固結した雪がつまって
逆に脱線の原因になってしまうので、安全レールを線路の曲線外方に設置します
溝付きレール

富山ライトレール 富山駅北口駅構内
路面電車や超低床LRV車輌が急曲線部をスムーズに曲がれるように
溝付きレールという特殊なレールが使われることがあります
(参考 Nihon getzner)
曲線部の脱線防止に関して
脱防ガードは外軌側レールへ車輪の乗り上がりが始まってから
内軌側車輪の背面をガイドするものですが
溝付きレールは常に内軌側車輪の背面をガードして、
外軌側レールへの接触力を緩和する効果があります
橋上ガードレール

上信電鉄 南高崎 - 根小屋間
城東貨物線 - 赤川橋梁 ←こちらの記事もご参照ください
橋上ガードレールは無道床の曲線橋梁や、進入側に急曲線が近接している橋梁
10‰以上の勾配中又は縦曲線中の橋梁、200m以上の長大橋梁に設置され
左右それぞれのレールに沿って設置されます。(片側だけの橋上ガードレールはありません)
敷設方法等は安全レールと同じです。
橋上ガードレール(軌間外方)

奥羽本線 和田 - 大張野間
鋼直結軌道橋上脱線防止ガード

しなの鉄道線 千曲川橋梁
鋼直結軌道の橋梁において、上記の条件で橋上ガードレールが必要とされるのに
構造上ガードレールを設置できない場合は、アングル材の脱線防止ガードで代用することが可能です
橋上ガードレールと脱線防止レールの併用区間

大井川鉄道井川線 閑蔵 - 井川間
橋上ガードレールと脱線防止ガードの併用区間

能勢電鉄妙見線 平野 - 一の鳥居間
踏切ガードレール

しなの鉄道線 屋代駅構内
踏切ガードレール(分岐器介在)

能勢電鉄妙見線 妙見口駅構内
踏切ガードレールは、踏切道において車輪が通過する際に、緩衝材(踏切敷板)との
空間を確保するため軌間内に設置するガードレールです
敷設方法は脱線防止ガードに準じますが、木造の敷板の場合は古レールが用いられます
ゴム製やコンクリート製の敷板の場合は、敷板材に埋め込まれた山型鋼や敷板材自体が
ガードレールの役割を果たす場合もあります
安全レールと踏切ガードレールの併用区間

いすみ鉄道 上総中野 - 西畑間
分岐器内ガードレール

鉄道博物館 ミニ運転列車万世橋駅手前の分岐器
普通分岐器のクロッシング部では軌間線欠線部が存在するので
車輪が異線進入するのを防止するために
クロッシングの反対側にガードレールが設置されています
クロッシングとガードレールのバックゲージを確保するため
ガードレールは間隔材を用いて主レールに固定されています
ただしノーズ可動クロッシング分岐器においては軌間線欠線部が無いため
直線側にはガードレールが設置されていません
ポイントガード

近鉄奈良線 大和西大寺駅構内
ポイントガードはトングレールの摩耗が著しい分岐器や
基準線の曲線半径の小さい内方分岐器のポイント部に設置されます
また側線分岐器における軽量車輌の脱線防止目的でも設置されることがあります
201側線分岐器ポイントガード

JR東日本尾久車両センター
参考:
鉄道現業社 保線ポケット事典(第八版)
鉄道総合技術研究所 RRR 2008.2
線路のガードレールについてのお話が出たので
向こうのコメントで説明をさせていただいていたのですが
どうせなら具体例を挙げて説明をやり直したほうがよいかなと思ったので
ネタ帳を探って素材を発掘してきました
脱線防止ガード(フローティングラダー部)

上の写真は鉄道総研実験線のレールです
直線への投入が多い(様に感じる)ラダーマクラギなので、
脱防ガードが付設されているのは珍しいのではないでしょうか
脱線防止ガード(軌間外方)

津軽海峡線 吉岡海底 - 知内間
脱線防止レール

上田電鉄別所線 中塩田 - 塩田町間
脱線防止レール(PCマクラギ区間)

阪神本線 青木駅構内
脱線防止レールおよび脱線防止ガードは列車の脱線を防止するために設置されます
推定脱線係数比が一定値未満の箇所(当社では1.2)
半径250m未満の曲線や、 急勾配中の曲線または高築堤等で
脱線した際に非常に危険が予想される箇所に敷設されます
脱線防止レールは主に木マクラギ区間において、犬クギで締結されます
本線レールとの距離は65(+スラック)mmが標準です
また上記阪神青木構内のように、専用のPC枕木が用いられることもあります
脱線防止ガードはレールを犬クギ締結することができない
PCマクラギ区間において、アングル材を用いて設置されます
本線レールとの距離は85mmが標準で
脱線防止ガードは本線レールと専用金具で締結されます
脱防レールおよびガードの設置位置について
推定脱線係数比および急曲線による設置箇所については、
曲線外軌側方向への脱線を防止するため、曲線内軌側内方へ設置されます
その他の条件による設置箇所については、
脱線した際に被害が大きくなる方向の反対側レール内方に設置されます
(例:新幹線の橋脚がある、高築堤のため転覆の恐れがある など)

安全レール(軌間内方)

長野電鉄長野線
安全レール(軌間外方)

富山地方鉄道上滝不二越線 南富山駅構内
安全レールは脱線してしまってもそれ以上の被害を最小限にするためのレールで
都合上脱線防止ガードが設置できない場所に敷設されます
一部では逸脱防止レールと呼ばれているようですが、
国鉄の資料では安全レールとなっています
本線レールとの距離は180mmまたは220mmで、主に古レールが用いられています
脱線防止レールとは、本線レールまでの距離が違うことがお分かりいただけますでしょうか?
レールの設置位置については、脱線防止レールおよびガードに準じますが
落石や雪の多い地域では、隙間に落石や固結した雪がつまって
逆に脱線の原因になってしまうので、安全レールを線路の曲線外方に設置します
溝付きレール

富山ライトレール 富山駅北口駅構内
路面電車や超低床LRV車輌が急曲線部をスムーズに曲がれるように
溝付きレールという特殊なレールが使われることがあります
(参考 Nihon getzner)
曲線部の脱線防止に関して
脱防ガードは外軌側レールへ車輪の乗り上がりが始まってから
内軌側車輪の背面をガイドするものですが
溝付きレールは常に内軌側車輪の背面をガードして、
外軌側レールへの接触力を緩和する効果があります
橋上ガードレール

上信電鉄 南高崎 - 根小屋間
城東貨物線 - 赤川橋梁 ←こちらの記事もご参照ください
橋上ガードレールは無道床の曲線橋梁や、進入側に急曲線が近接している橋梁
10‰以上の勾配中又は縦曲線中の橋梁、200m以上の長大橋梁に設置され
左右それぞれのレールに沿って設置されます。(片側だけの橋上ガードレールはありません)
敷設方法等は安全レールと同じです。
橋上ガードレール(軌間外方)

奥羽本線 和田 - 大張野間
鋼直結軌道橋上脱線防止ガード

しなの鉄道線 千曲川橋梁
鋼直結軌道の橋梁において、上記の条件で橋上ガードレールが必要とされるのに
構造上ガードレールを設置できない場合は、アングル材の脱線防止ガードで代用することが可能です
橋上ガードレールと脱線防止レールの併用区間

大井川鉄道井川線 閑蔵 - 井川間
橋上ガードレールと脱線防止ガードの併用区間

能勢電鉄妙見線 平野 - 一の鳥居間
踏切ガードレール

しなの鉄道線 屋代駅構内
踏切ガードレール(分岐器介在)

能勢電鉄妙見線 妙見口駅構内
踏切ガードレールは、踏切道において車輪が通過する際に、緩衝材(踏切敷板)との
空間を確保するため軌間内に設置するガードレールです
敷設方法は脱線防止ガードに準じますが、木造の敷板の場合は古レールが用いられます
ゴム製やコンクリート製の敷板の場合は、敷板材に埋め込まれた山型鋼や敷板材自体が
ガードレールの役割を果たす場合もあります
安全レールと踏切ガードレールの併用区間

いすみ鉄道 上総中野 - 西畑間
分岐器内ガードレール

鉄道博物館 ミニ運転列車万世橋駅手前の分岐器
普通分岐器のクロッシング部では軌間線欠線部が存在するので
車輪が異線進入するのを防止するために
クロッシングの反対側にガードレールが設置されています
クロッシングとガードレールのバックゲージを確保するため
ガードレールは間隔材を用いて主レールに固定されています
ただしノーズ可動クロッシング分岐器においては軌間線欠線部が無いため
直線側にはガードレールが設置されていません
ポイントガード

近鉄奈良線 大和西大寺駅構内
ポイントガードはトングレールの摩耗が著しい分岐器や
基準線の曲線半径の小さい内方分岐器のポイント部に設置されます
また側線分岐器における軽量車輌の脱線防止目的でも設置されることがあります
201側線分岐器ポイントガード

JR東日本尾久車両センター
参考:
鉄道現業社 保線ポケット事典(第八版)
鉄道総合技術研究所 RRR 2008.2
土橋鉱山にも転車台ありまっせー山田太郎 猫派です3事業者以上が乗り入れている駅追伸
これも第二種区間ではありますが、
・目黒 (JR東日本、東急電鉄、東京メトロ、東京都交通局)
ですかね。鬼神3事業者以上が乗り入れている駅神戸高速は2010年10月以降完全な第三種鉄道事業者になりましたから、
他の第三種事業者とのバランス上は阪急阪神山陽神鉄として扱ったほうが
いいかもしれませんね。
逆に鬼神長野県水産試験場 その2はじめまして。
楽しく拝見させて頂いております。
長野県水産試験場のトロッコ軌道の線路は、
残念ながら近々撤去の予定だそうです。
見学したい方はお早めにどうぞ。無記名埼玉県立近代美術館(北浦和公園)カイザー製のレール2180年11月7日に御発信のドイツカイザーのレール、茅野駅の跨線橋の橋脚にも使われています。
同じ文字が読みとれます。
ご参考まで鈴木頼奈3事業者以上が乗り入れている駅名古屋駅名古屋駅には名古屋臨海高速鉄道のあおなみ線も乗り入れていますhatahata高松ひなた緑地(阪急西宮北口駅前)電車すごい高松あゆ