上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.-- (--) --:--
[ 分類 : スポンサー広告 ]
その1 おばあちゃんと柴

とある冬、初雪が結構積もった次の次の日
本社を通じて沿線の方から電話がありました
内容は、跨線橋から線路際に倒れている犬が見えるが、
自分の家のものかも知れないので確認してもらえないかと

僕と2年目の社員の2人で待ち合わせの跨線橋へ
電話の相手は男性でしたが、待ち合わせの場所に来たのは
その相手らしき男性と小柄なおばあちゃん
犬の飼い主はおばあちゃんで、男性は心配で手伝ってくれていた近所の方でした

列車の間合い待ちの間に、おばあちゃんとお話をしました
いなくなった犬は1歳になったばかりの柴犬だということ
ずっと室内で飼っていたのだけど、2日前の大雪の日に、
真っ白い外の風景に驚いて飛び出して行ってしまったこと
近所中からかわいがられていて、みんなで探してくれていたこと

「私がお勝手の戸を開けっ放しにしていたのが悪かったんだ」
という事を何度となくつぶやいていました

足場の悪い線路際におばあちゃんを連れて行くことは危ないので
僕らでワンちゃんの確認をする事に
おばあちゃんに聞いた特徴は、ピンク色の首輪

倒れている場所まで、できればピンクの首輪じゃありませんように
おばあちゃんに、違いましたよと報告できればいいのにと思いながら歩きましたが
すでに冷たくなった小柄な柴犬には、ピンク色の首輪が巻かれていました

一度おばあちゃんの所へ戻って、非常に残念な報告をしたところ
せめてこれでくるんでやって欲しいと、お気に入りだったという毛布を渡されました

毛布に包まれて、おばあちゃんの所へやっと帰ってきた柴
「ごめんねぇ、ごめんねぇ」
おばあちゃんは柴に小さな声をかけてあげると
僕たちに対して
「家族を帰してくれて、本当にありがとうございました」
とお礼を残して、一緒に帰っていきました


その2 おじちゃんとシェルティ

ある日の朝礼後、後輩が1枚のチラシを持って僕の所へ
「この犬、2週間前に埋めました」

新聞に折り込まれていたこの犬探していますというチラシ
チラシの内容と規模から、大事にされていた家族の一員だという事がわかります
シェルティという犬種と
行方不明になった日、最後に目撃された場所と
後輩が犬を発見して埋めた日と場所が時系列的に矛盾なくほぼ一致していたため
たとえ最悪の結果であっても、結論は出したほうがいいという判断の元
連絡先にあった役場に電話を掛けて状況を説明しました

その後飼い主さんから折り返し電話があり、再び状況を説明
説明を聞いた飼い主さんは
「しかし、1週間前に近くの温泉街で見かけたという情報があるのです」
と、強い口調で私に訴えます
確かに、悪い情報より、少しでも良い情報を信じたい気持ちはわかります
私としては、情報提供だけで終わるつもりでしたが、
その後飼い主さんも状況の合理性に気付いたようで、
現場を確認させて欲しいという事になりました

待ち合わせの時間から早めに着いてしまったため、
先に現場を後輩に案内してもらいました
2週間前に埋められたという事で、
正直どれくらい原形を留めているかという心配はありましたが
実際は埋めたというより枯れ草を掛けてあった状態で
飼い主さんであれば確認はできるかなという状況でした

再び約束の場所で待ち合わせている間に
曇り空からは雨粒が落ち始め
飼い主さんがやって来られる頃には本降りとなっていました
時間通りに来られた飼い主さんは、
電話の口調とは打って変わって優しい感じの方でした

飼い主さんと現場へ向かいます
枯れ草の山に半分埋まるシェルティ
飼い主さんは濡れた毛で隠れていた顔を確認すると
「うちの子です」と一言
スコップを用意していましたが、
飼い主さんはそのまま素手で掘り出して、毛布にくるんであげました
抱きかかえた飼い主さんがもう一言
「こんな近くにいたのか、ごめんな」
現場は、飼い主さんのお家が見えるすぐの場所でした



私も実家に大事な犬がいます
私だって、勘違いであって欲しいのです
生きて再会できたほうがいいに決まっています
きちんとお別れできる機会は必要なのかどうなのか、答えはまだ出ていません
2015.04.20 (Mon) 23:43 CM2. TB0.
[ 分類 : 保線の仕事 ]
  
コメント

ご無沙汰しております(^_^)
ワンコが大好きで記事を拝見致しまして、
涙が溢れました。
ウチも長年、ワンコがいましたが、天寿を全うして
家族に看取られながらの平穏な最後でしたが、
おわかれは辛いものでバチ当たりなこと言うと父が
亡くなった時以上の悲しみがありました(父が可愛が
ってた犬だったので)
その父方の祖母が40年ほど前に北陸本線上で亡くなり
ました。祖母の家の周囲は田畑で線路の向こう側の店
に買い物に行くためには線路下の地下道まで遠回りし
なければならず、近所の人や祖母も本線の築堤を登り、
公然と複線の線路を横断していました。
その日もいつものように線路を渡ろうとしたのですが、
進来する475系急行電車に気が付かなかったようです。
運転士の話では、視認し警笛を鳴らした時には祖母は
恐怖で固まってしまい動けず、一緒に連れていた孫
(私の従妹)だけは線路外へ突飛ばし孫だけは助かりま
した。
踏切でもない場所を勝手に横断した祖母が悪く、言い
訳出来ないことと高速で走る鉄道の怖さを実感しつつ
も、現場の第一線で苦労努力なさってる大勢の方々を
思えば、たとえ、重大な事故が起きたとしても常に
鉄道の味方である私です。
---------- 鉄子な主婦 [ 編集] URL . 04/29, 13:25 -----

>鉄子な主婦さん

ご無沙汰しております
ワンコとのお別れは平穏であっても悲しいですよね
ウチのももう14歳なので、盆と正月に帰るたびに
「また帰ってくるまで元気でいろよ」なんて声をかけています

お祖母様の件は残念です
踏切以外で地元の方が渡られる場所、作場道と呼んでいますが
これも既得権があり、勝手に封鎖できないのが実情です
我々としては踏切以外での横断の危険性を周知して
一つでも事故が減らせればと考えています
---------- oomatipalk [ 編集] URL . 05/06, 00:59 -----
コメントする









       
トラックバック
トラックバックURL
→http://oomatipalk2.blog91.fc2.com/tb.php/515-81bb4de0
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)


     
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。